デザインプレゼンテーション

デザインプレゼンテーション

4時間(面接含む) / B3ケント紙(KMKケント)+デザイン用紙(PMパッド)1枚 / 鉛筆、 12色 色鉛筆(支給)

課題
私たちの日常における「他者に配慮する」という行為を分析し、あなたが考えたデザインによる「問題提起」「問題解決」もしくは「新しい提案」をしなさい。
この「他者に配慮する」行為に対してデザインでどのような問題を解決できるのか具体的に提案してください。もしくは、気づきにくい問題点や面白さを抽出して気づいてもらうための提案でも構いません。
例えば、新しい「製品」「空間」「サイン表示」または「問題点や面白さを知ってもらうための広告」などあなたが得意とする分野での実現可能な提案を望みます。私たちの生活に身近な「日本の食と農業※」を分析し、あなたが考えたデザインによる「問題提起」「問題解決」もしくは「新しい提案」をしなさい。
条件
  • 1.用紙は2枚あります。PMパッド(薄い紙)はアイデアやメモとして自由に使い、ケント紙には最終回答を記入すること。
  • 2.表現方法は自由、用意された色鉛筆と鉛筆を使用すること。
  • 3.横位置にて使用すること。
  • 4.用紙は2枚とも提出とし、2枚の内容を総合評価とする。
  • 5.定規・コンパスは使用不可。
デザインプレゼンテーション出題のねらい
出題文から問題をみつける「問題発見能力」、そしてそれを解決する「問題解決能力」をみます。
更にはその解決法が「独創性」に富んだものか、「想像力」は豊かか、その中には「発想力とアイデアの展開力(幅広くアイデアがだせるか)」という点も含まれます。最終的にはそれらをわかりやすく表現するための工夫が為されているかという「プレゼンテーション力」をみます。1枚目の最終案だけではなく、もう1枚提出する最終案に至るまでの経緯も重視していますので、そちらには思いついた案をすべて書き記してください。
デザインプレゼンテーションアドバイス
日常生活の中で普段なら見過ごしてしまうことに注意深く目を向けてみましょう。
目に入る印刷物、広告や標識には何も問題はないのか?普段使っているモノや空間は本当に使いやすいのか?そんなことを考えながらすごしてみると様々な問題を発見できるはずです。
更には自分がもし幼児だったら?お年寄りだったら?性別が逆だったら?日本国内ではなく海外だったら?と視点を変えながらものごとを観察してみると、もっと多くの問題が発見できるはずです。
発見できたらその解決方法を色んな方向から検討してみましょう。いいアイデアが浮かんだと思ってもそこでやめずに幅広く展開してみてください。次はそれをどのように伝えるかを考えましょう。デザイナーは絵や文字を使って、自分の考えをわかりやすく相手に伝えることができます。自分の考えをまとめて描いたものを第三者に説明せずに見てもらいましょう。うまく伝わらなかったら言葉で説明してどこが分かりにくかったかを考え、再度描いてみましょう。「問題を見つけ、解決案を考え、相手に伝わりやすい表現にまとめる」その繰り返しがデザインの訓練になります。
  • 解答例A

    解答例A

    「赤ちゃんHOTEL」
    赤ちゃんの夜泣きがやまず、苦労している親が向かうことのできる宿泊施設の提案です。
    まず、現代の子育てに様々な問題があるというところに着目した点(特に都会で暮らす核家の場合、子供の面倒を働いている親がみなければならないことや、身近に子育てに対するアドバイスや助けてくれる人が少ないという現状)その問題をうまく「他者に配慮する」というテーマに結びつけています。とはいえホテルに避難するという単純な解決法が最良とも言えませんが、ひとつのアイデアとして、その表現方法と問題に対する着眼点が評価されました。PMパッドの用紙にもう少し他のアイデア展開などを見せてもらえるとさらに評価は高くなったと思われます。

  • 解答例B

    解答例B

    「おもいやりが生まれる公園 もりもり」
    高齢者と子供が交流する場として公園を提案しています。
    課題である「他者に配慮する」という言葉は直接出ていませんが、様々なシーンで配慮やおもいやりが育まれるであろう仕掛けがあります。このように小さなアイデアを積み重ねた「場」としての提案もうまくまとめられれば良い回答になり得ます。PMパッドのアイデアメモ(下段)は解答例Aと同様にもっとアイデアの展開力を見せてくれたらさらに高評価となったと思われます。

  • 解答例C

    解答例C

    「配慮チェッカー」
    デジタルデバイスに日々の自分の状態や友人の状態を書き込みシェアすることによって配慮を促すという提案です。
    デバイス(もしくはアプリ)によって解決するという提案ではその中身(ソフトウェア)が重要ですが、その具体的な動作や表現方法(画面のデザイン)などもう少し詳細に提案できると更に良かったと思われます。しかしアイデア展開のPMパッドでは様々な分析がなされており、非常に高評価でした。