デザインプレゼンテーション

デザインプレゼンテーション

4時間(面接含む)/B3ケント紙(KMKケント)+デザイン用紙(PMパッド)1枚 / 鉛筆、12色 色鉛筆(色鉛筆は支給) ※着色自由

課題
私たちの生活に関わる「ダイバーシティの実現」の問題を見つけ出し
あなたが考えたデザインによる「問題提起」もしくは「問題解決」をしなさい
ダイバーシティ(Diversity)とは、直訳すれば「多様性」となり、企業においてはダイバーシティ経営という言葉で使われる。
人種や性別に焦点が当てられがちだがダイバーシティは人種、国籍、宗教、障害、性別、性的指向、年齢などのほか、個人や集団の間で違いを生み出す可能性のあるあらゆる要素を考慮している。 wikipediaより
この「ダイバーシティの実現」に対してどのような問題があり、どうしたらそれをデザインで解決できるのか
具体的に提案してください。
もしくは、気づきにくい問題点や面白さを抽出して知ってもらうための提案でも構いません。

例えば、新しい「製品」「空間」「サイン表示」または「問題点や面白さを知ってもらうための広告」など
あなたが得意とする分野での実現可能な提案を望みます。

条件
  • 1.用紙は2枚あります。PMパッド(薄い紙)1枚はアイデアやメモとして自由に使い、
      ケント紙には最終回答を記入すること。
  • 2.表現方法は自由(デッサンで使用した鉛筆、および配布された色鉛筆を使用すること)
  • 3.用紙は横位置にて使用すること。
  • 4.用紙は2枚ともすべて提出とし、2枚の総合評価とする。
  • 5.定規・コンパスは使用不可。
デザインプレゼンテーション出題のねらい
出題文から問題をみつける「問題発見能力」、そしてそれを解決する「問題解決能力」をみます。
更にはその解決法が「独創性」に富んだものか、「想像力」は豊かか、その中には「発想力とアイデアの展開力(幅広くアイデアがだせるか)」という点も含まれます。最終的にはそれらをわかりやすく表現するための工夫が為されているかという「プレゼンテーション力」をみます。1枚目の最終案だけではなく、もう1枚提出する最終案に至るまでの経緯も重視していますので、そちらには思いついた案をすべて書き記してください。
デザインプレゼンテーションアドバイス
日常生活の中で普段なら見過ごしてしまうことに注意深く目を向けてみましょう。
目に入る印刷物、広告や標識には何も問題はないのか?普段使っているモノや空間は本当に使いやすいのか?そんなことを考えながらすごしてみると様々な問題を発見できるはずです。
更には自分がもし幼児だったら?お年寄りだったら?性別が逆だったら?日本国内ではなく海外だったら?と視点を変えながらものごとを観察してみると、もっと多くの問題が発見できるはずです。
発見できたらその解決方法を色んな方向から検討してみましょう。いいアイデアが浮かんだと思ってもそこでやめずに幅広く展開してみてください。次はそれをどのように伝えるかを考えましょう。デザイナーは絵や文字を使って、自分の考えをわかりやすく相手に伝えることができます。自分の考えをまとめて描いたものを第三者に説明せずに見てもらいましょう。うまく伝わらなかったら言葉で説明してどこが分かりにくかったかを考え、再度描いてみましょう。「問題を見つけ、解決案を考え、相手に伝わりやすい表現にまとめる」その繰り返しがデザインの訓練になります。
  • 解答例A

    解答例A

    「体験芸術館」
    様々な嗜好を持った人の中から自分と似た嗜好を持つ人を引き合わせて話すことができる施設の提案。最終提案の密度とそこに至るまでの分析(良い面と、悪い面を書き出し解決策を探る)を頑張っていた点が評価されました。「外見ではなく感性でつながろう」という視点はいいのですが、「感性が違う人とも認めあえる」のが本来の多様性であるはずなので、そこまで踏み込んだ提案ができているとなお良かったと思われます。

  • 解答例B

    解答例B

    「わけないトイレ」
    ダイバーシティが「見える場所=公共施設」という発見は良かったと思います。さらにはジェンダーレスに目をつけてトイレの区別をなくすことによって利便性が高まるという点をうまくアピールできていました。実際は問題がありそうな提案でも良い点を積み重ねることによって良い印象に見えてきます。分析の中にあった非常に良い視点も評価されましたが最終提案に活かしきれていなかった点が悔やまれます。

  • 解答例C

    解答例C

    「ちがいの博物館」
    世界中にあるさまざまな「ちがい」を知るための博物館の提案。「他者とのちがいを知ることから多様性の理解は始まる」という着眼点はすばらしいです。惜しいのはそこで終わってしまっていて展示内容や展示方法など具体例が殆どなかったところ。一例でもいいのでどのような展示があるのかを提示してもらえたらもっと共感できた内容になったかと思います。