デザインプレゼンテーション
4時間(面接含む)/B3ケント紙(KMKケント)+デザイン用紙(PMパッド)1枚 / 鉛筆、12色 色鉛筆(色鉛筆は支給) ※着色自由
- 課題
- 私たちの生活に関わる「若者の政治への無関心」からおこる問題を見つけ出し
あなたが考えたデザインによる「問題提起」もしくは「問題解決」をしなさい - 国政選挙の年代別投票率は、令和3年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙では、10歳代が43.21%、20歳代が36.50%、30歳代が47.12%となっています。(全年代を通じた投票率は55.93%)また令和元年7月に行われた第25回参議院議員通常選挙では、10歳代が32.28%、20歳代が30.96%、30歳代が38.78%となっています。(全年代を通じた投票率は48.80%)このように、いずれの選挙でも他の年代と比べて、若年層の投票率は低い水準にとどまっていることから、総務省では、特に若年層への選挙啓発や主権者教育に取り組むとともに、関係機関等と緊密な連携を図り、投票率の向上に努めることとしています。
※年代別投票率は、全国から標準的な投票率を示している投票区を抽出し、調査したものです。
※10歳代の投票率は、第24回参議院議員通常選挙及び第48回衆議院議員総選挙のみ全数調査によるものです。
総務省よりこの「若者の政治への無関心」に対してどのような問題があり、どうしたらそれをデザインで解決できるのか具体的に提案してください。
もしくは、気づきにくい問題点や面白さを抽出して知ってもらうための提案でも構いません。
例えば、新しい「製品」「空間」「サイン表示」または「問題点や面白さを知ってもらうための広告」などあなたが得意とする分野での実現可能な提案を望みます。
- 条件
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- 1.用紙は2枚あります。PMパッド(薄い紙)1枚はアイデアやメモとして自由に使い、
ケント紙には最終回答を記入すること。 - 2.表現方法は自由(デッサンで使用した鉛筆、および配布された色鉛筆を使用すること)
- 3.用紙は横位置にて使用すること。
- 4.用紙は2枚ともすべて提出とし、2枚の総合評価とする。
- 5.定規・コンパスは使用不可。
- 1.用紙は2枚あります。PMパッド(薄い紙)1枚はアイデアやメモとして自由に使い、
- デザインプレゼンテーション出題のねらい
- 出題文から問題をみつける「問題発見能力」、そしてそれを解決する「問題解決能力」をみます。
更にはその解決法が「独創性」に富んだものか、「想像力」は豊かか、その中には「発想力とアイデアの展開力(幅広くアイデアがだせるか)」という点も含まれます。最終的にはそれらをわかりやすく表現するための工夫が為されているかという「プレゼンテーション力」をみます。1枚目の最終案だけではなく、もう1枚提出する最終案に至るまでの経緯も重視していますので、そちらには思いついた案をすべて書き記してください。
- デザインプレゼンテーションアドバイス
- 日常生活の中で普段なら見過ごしてしまうことに注意深く目を向けてみましょう。
目に入る印刷物、広告や標識には何も問題はないのか?普段使っているモノや空間は本当に使いやすいのか?そんなことを考えながらすごしてみると様々な問題を発見できるはずです。
更には自分がもし幼児だったら?お年寄りだったら?性別が逆だったら?日本国内ではなく海外だったら?と視点を変えながらものごとを観察してみると、もっと多くの問題が発見できるはずです。
発見できたらその解決方法を色んな方向から検討してみましょう。いいアイデアが浮かんだと思ってもそこでやめずに幅広く展開してみてください。次はそれをどのように伝えるかを考えましょう。デザイナーは絵や文字を使って、自分の考えをわかりやすく相手に伝えることができます。自分の考えをまとめて描いたものを第三者に説明せずに見てもらいましょう。うまく伝わらなかったら言葉で説明してどこが分かりにくかったかを考え、再度描いてみましょう。「問題を見つけ、解決案を考え、相手に伝わりやすい表現にまとめる」その繰り返しがデザインの訓練になります。
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解答例A
「政治シミュレーションゲーム 総理大臣大作戦」
(あなたはアニマル国の総理大臣!問題を解決し良い国づくりをしよう!)とキャッチコピーにあるようにゲームを通して政治を行う立場を体験することにより、楽しく学んで政治に興味を持ってもらおうというアイデアです。今回はスマホアプリの提案が多かったのですが、その中でゲームという、娯楽から学ぶという切り口が他の人にはないアイデアでした。ゲーム内のイベントや、ステータス項目をどうするかなど、細かいところにも気を使って構成した点が評価されました。アイデアシートでは具体的な画面表示やキャラクター設定などアイデアをどう見せたら面白くなるかなどよく考えられていました。 -
解答例B
「政治広報グループ EASY」
匿名性の非SNSアプリの提案です。若者が政治に興味がない理由と原因を整理し、初めての政治参加(投票)までを親切にガイドしてくれる「入り口」サービスの提案となっています。なんでもできてしまう万能アプリとせず、目的を明快にし、「知る」から「参加」までの導入に絞った点、更には現実イベントとの連動など、バーチャルとリアルの役割分担をわかりやすくまとめている点が評価されました。提案自体はスマホアプリというありがちなものでしたが、素直に理由、原因を追求し、そこから解決案を提示しているところは好感が持てます。 -
解答例C
オンライン投票アプリ「VOTE」
すでに現実でも議論されているオンライン投票ですが、投票に付随して1.「投票前に各候補の公約を読ませる」2.「ポイント制度を導入し投票率の向上を促す」などの提案が盛り込まれています。前述の通り、アプリによるオンライン投票というアイデア自体はそれほど新鮮ではありませんがロゴやレイアウトなど、一枚の提案用紙に綺麗にまとめている点が評価されました。また、アイデアシートは表裏の両面にびっしりと最終案に至るまでのアイデアが記載されており、採用されなかった仮案も非常に面白く、アイデアの幅の広さも評価されました。