鉛筆デッサン
3時間 / B3画用紙
※2017年度よりデッサンは4時間に変更となります。
- 課題
- 与えられたモチーフを台紙の上にセットし、鉛筆でデッサンしなさい。定規、コンパス、デッサンスケールは使用不可とする。※はかり棒は使用可。スケッチブック等、下書き用の紙は切り離した場合のみ使用してよい。
- 条件
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- 1. 机の上においてある卓球ラケット、ピンポン玉、鬼すだれをすべて組み合わせること。鬼すだれはそのままではなく変形させること。ピンポン玉は練りゴム等で固定してもよい。
- 2. 台紙は描かなくてよい。
- 鉛筆デッサン出題のねらい
- すべての受験者が共通のモチーフを用い、時間内で行います。モチーフはセットで一人ずつに渡されますので各自が自分の机の上でモチーフを組み、カルトンに画用紙をセットしてのデッサンになります。デザイン学科のデッサンは対象物をよく観察し正確なプロポーションがとられているかを見ます。最終的にはモチーフに対する観察力・表現力といった複合的なデッサン力を重視します。
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解答例A
モチーフ各々の質感を伴った色味を感じます。光の設定を意識した調子の幅があります。卓球玉を中心に柄の端部や付け根などのポイントを描き込み、右上に向かって密度を抑えるなど、抵抗感や奥行きも表現しています。ラケットの寸法的な比率については気になりますが、立体的・構造的な見方はできているようです。モチーフの配置が平面的なので、静的な印象になっています。
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解答例B
モチーフの配置構成に工夫と狙いを感じます。卓球玉を視点に近い所に置いて、目の動きを捉え、Z字状に視点の動きを誘っています。鬼すだれは垂直の要素が画面を引き締め、また曲面と光の関係が功を奏し、右側の逆光で湿り気のある空気と中央の柱状の順光でカラッと乾燥した、対照的で心地よい空気感があります。このようおに光(陰影)を大事にして空間を演出するという意識も良いものです。
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解答例C
モチーフ相互(及び単体)の大きさ、幅、長さ、厚みなどの寸法的な比率(プロポーション)を大事に意識していることが伺えます。ラケットの面のアウトラインの形や、そのラバー面の平滑さについては、もう少ししっかりと描けると良いでしょう。このモチーフのように平らで左右対称の曲線のアウトラインを持つ形を、正中線や補助線を用いて正確に取るということは、対象物を構造的に捉えるための初歩的な段階です。