鉛筆デッサン
4時間(面接含む)/B3画用紙/B3画用紙
- 課題
- 与えられたモチーフを台紙の上にセットし、鉛筆でデッサンしなさい。
定規、コンパス、デッサンスケールは使用不可とする。
※はかり棒は使用可。
- 条件
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- 1. 机の上に置いてあるチーズおろし金、ガラスコップ、カウンタークロスをすべて組み合わせること。クロスはたたんだままではなく、広げて変形させること。
- 2. 台紙は描かなくてもよい。
- 3. 用紙は横位置で使用すること。名前の欄が右上に来るようにすること。
- 4. A3の上質紙はエスキース(下書き)用として使用してもしなくてもどちらでも構わない。
- 鉛筆デッサン出題のねらい
- すべての受験者が共通のモチーフを用い、時間内で行います。モチーフはセットで一人ずつに渡されますので各自が自分の机の上でモチーフを組み、カルトンに画用紙をセットしてのデッサンになります。デザイン学科のデッサンは対象物をよく観察し正確なプロポーションがとれているかを見ます。最終的にはモチーフに対する観察力・表現力といった総合的なデッサン力を重視します。
- 鉛筆デッサンアドバイス
- デッサンは短時間の練習でうまく描けるモノではありません。
計画をたて、基本に沿った練習をコンスタントに行って下さい。まずは円柱や立方体など基本形を正確に描けるように心がけてください。対象物をよく観察して形状や素材感をじっくり分析してみてください。最終的には自分でモチーフを組み、試験時間にあわせた練習で自分のペース配分を把握しておくことが大切です。
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解答例A
各モチーフの特徴をよく観察して丁寧な描写でリアリティのある表現ができています。構図は天地左右の余白が均等になることを狙って紙面の縦横比を意識したモチーフの配置にしています。布、ガラス、ステンレスの材質の違いをよく感じながら鉛筆の使い分けや画用紙の目の荒さを上手に抑えて、自然に表現しています。カウンタークロスの薄さ軽さ、手触り、ガラスコップの厚みなどがよく伝わってきます。
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解答例B
ガラスコップの背景にモチーフをおくことで、ガラス越しに奥に見えるモチーフの屈折やトーンを観察してガラスの厚みや形を表現することができます。また、右上方向からの光を想定してグラスに陰影を入れて立体的に見えるように工夫しています。どうしたら立体感を得られるかということも大事です。モチーフが置かれている台の水平で平滑な感じや、視点の位置との関係も大事に意識しています。
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解答例C
余白を生かして空間の広がりを感じさせる構図になっています。布を広く広げて、モチーフ相互に距離を与えることで、空間の広がり感がある構図になっています。左上の余白が効いています。また、随所に奥行きを強調するテクニック(近くに見せたい部分に画用紙の目の荒さを残し、遠くに見せたい部分は画用紙の目を潰すなど)を使っており、白い空間強調するというコンセプトを強く感じるデッサンになっています。